企業活動の核と言えば「セールスプロモーション」「マーケティング」「ブランディング」。今回は、その中のひとつであるセールスプロモーションにフォーカスして徹底解説。
本記事を読むことで、セールスプロモーションの基本から手法、戦略のポイントについての理解が深まります。事例を交えながらご紹介していきますので、是非最後までご覧ください。
目次
セールスプロモーションの主な対象
セールスプロモーションとは
セールスプロモーションとは、セールス(販売:sales)とプロモーション(販売促進:promotion)の複合語です。商品やサービスの売り上げ向上のために、魅力を伝え消費者の購買行動につなげる取り組みを意味します。売り上げをつまりユーザーの商品購入やサービス利用のための動機を創造するマーケティング活動です。また、SPの略称で表現されることも多い、重要なビジネス運営の要素です。
店頭イベントや商品キャンペーンの実施など。SNSやWebなどのデジタル広告、CM放送や各種広告掲出。その他、店内POPなどの商品アピールもセールスプロモーションに含まれます。
セールスプロモーションの対象
セールスプロモーションの主な対象は以下の3つ。それぞれの特徴を把握しましょう。
消費者向けプロモーション |
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直接購買者に向けて商品をアピールするために行うもの。具体的には実演販売や試食、店頭や店内の陳列、景品やノベルティの進呈などです。 |
流通業者向けプロモーション |
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流通会社(卸売業者や小売業者)の取扱い意欲を向上し売上増加につなげる施策。具体的には販売情報の提供や売上額に対するインセンティブ(報奨や謝礼)などです。 |
社内向けプロモーション |
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社内の販売・営業担当者のモチベーションアップやスキル向上を目的とした施策。具体的には販売実績コンテストの実施や販売マニュアルの作成など。新規顧客の開拓や取引額の拡販につながります。 |
セールスプロモーション5つの種類とポイント【事例紹介】
セールスプロモーションには主に下記の5つの種類があります。まず、それぞれの特徴を理解して効果的なプロモーションを展開しましょう。
イベントプロモーション
展示会、ライブ、セミナーなどのイベントの開催を利用するプロモーションです。イベント会場でダイレクトに商品やサービスを知る機会を提供します。
具体的には以下のような方法があります。
- イベント会場のブース出展
- チラシやパンフレットの配布
- ノベルティや商品サンプルの配布
- 相談コーナーやQ&Aの展示 など
<イベントプロモーションのメリット>
実際に商品やサービスに触れてもらうことが可能。そのため、購買意欲につながり販促効果が期待できます。イベント共催や規模の調整などが可能なのでコストやスケジュールが調整しやすいのも特徴。幅広い層に効果的にアプローチできます。
キャンペーンプロモーション
期間を限定したキャンペーンで販促活動を行い、新規顧客開拓やリピーター獲得を行う手法です。その際に、割引サービスや懸賞・特典の付与などを実施。限定商品の販売なども行います。
具体的には以下のような方法があります。
- 期間限定セール
- 周年キャンペーン
- 決算セール
- 季節のキャンペーンイベント
<キャンペーンプロモーションのメリット>
売上増加だけではなく、商品やサービスの認知拡大やブランド向上にも期待できます。また情報の入手がしやすく、その後のマーケティングや集客に活用できるのも利点です。
インストアプロモーション
店頭や店舗内で行うプローモーションです。来店客の興味を引き、商品購入やサービス利用をしたくなる企画・演出を指します。
具体的には以下のような方法があります。
- 効果的な商品ディスプレイ
- POPやポスター、デジタルサイネージなどの店内広告
- デモンストレーション販売
- タイムセールや夕方値引きシール貼付
- シーズンイベントやトレンド対応の企画 など
<インストアプロモーションのメリット>
企画内容によりコスト調整が可能。売り場で行うため、比較的低コストで実施できます。また、お客様の反応反響をリアルタイムで知ることができ、売上アップにダイレクトにつながります。
デジタルプロモーション
SNSをはじめとするソーシャルメディアやWebマーケティングツールを活用して、目的に応じたピンポイント訴求ができます。広範囲なアプローチ、セグメント訴求など獲得したいターゲットにむけた展開が可能です。最も今の時代に合った、広く行われる施策です。
具体的には以下のような方法があります。
- SEOやWeb広告
- InstagramやTwitterなどのSNS
- YouTubeやTikTokなどの動画プラットフォーム
- オンラインイベントやデジタルサイネージ使用のプローモーション
<デジタルプロモーションのメリット>
Web広告や顧客データ活用でターゲット設定すれば、効果的なアプローチが可能。また、マス広告に比べて低コストで、広範囲への認知拡大や訴求ができます。加えて費用対効果が高く、プロセスの可視化や効果の数値化確認が可能。作業に必要な時間も比較的少ないのも魅了です。
ダイレクトマーケティング
顧客や見込み客のリストをもとにして行う直接的な販売促進活動です。マーケティングデータや顧客情報を分析し、獲得したいターゲットに対応したアプローチを行います。
具体的には以下のような方法があります。
- ダイレクトメール
- ポスティング
- メールマーケティング
- ルートサンプリング(施設や店舗、街頭でのサンプル配布。会員などへのサンプリング)
<ダイレクトマーケティングのメリット>
実施後に結果を分析することで、PDCAを循環させてマーケティングの精度を向上できます。それにより、成果や実績を高める可能性があります。
セールスプロモーションの手法
セールスプロモーションの手法は目的や事業内容により多種多様です。まずは、4つの主要な手法を一覧でご紹介します。製品やサービスにマッチした手法を採用することがです。
試用手法
実際に商品やサービスを試してもらい、認知度アップや購買ハードルを下げる方法。ハードルが高い新規購入や契約に関して効果が期待できます。
具体的には以下のような手法があります。
- 化粧品などの試供品配布
- 店舗やイベント会場での試食販売
- 車やバイクの試乗
- サブスクリプションの無料期間
プレミアム手法
特典やおまけ、景品などを付与して購買意欲を向上させる手法です。つまり、お得感を与えることで購入決定を後押しします。
具体的には以下のような手法があります。
- 商品に景品を封入
- レシートや手渡しカードからプレゼント応募
- 限定の希少なパッケージ など
プライス手法
期間や条件など限定的に価格を割り引く手法です。限定的にサービスを実施することで、プロモーションの成果が向上します。また、売値を下げるため、何らかの方法で利益率の調整をしましょう。
具体的には以下のような手法があります。
- タイムセール
- 現金払い戻し
- 増量パックやお試しサイズ品
- 期間限定割引価格
制度手法
会員・ポイントシステムなどの特典によりリピートを獲得する手法です。また、新規顧客獲得の機会にも効果的です。会員登録により新規リードも獲得できます。ただしマンネリ化による価値の低下には要注意でデメリットにもなりがち。たとえば、サービスを常態化しすぎないなどの工夫をしましょう。
具体的には以下のような手法があります。
- ポイントカード、スタンプカード
- 会員制度(カード、アプリ、SNSなど)
- クーポンサービス
- メンテナンスサービス など
セールスプロモーションの戦略ポイント
セールスプロモーションを実施する際は、成果を得るための事前準備をしっかり行いましょう。この項では、セールスプロモーションを成功に導くための5つのポイント概要についてご紹介します。
1.目的を明確にする
セールスプロモーションを実施する際、まず大切なのが「目的の明確化」です。はじめに、お客様の購買意欲を刺激するために、どんな導線(手段)を選択するか?また、目指すゴールをどこに設定するか?をしっかりと検討して決定します。
2.ターゲットを明確にする
次に重要なポイントが、ターゲットの明確化です。またこちらは、事業計画や商品の販売戦略上の「ペルソナ」と共通する部分もあります。
ターゲットによりセールスプロモーションの手法が異なるのは明らかです。たとえば若年層がターゲットの場合SNS活用などのデジタルプローモーションは有効です。しかし、高齢者がターゲットの場合はデジタル活用は不向きです。もちろんご存知のように、新聞折り込みチラシやDMなど紙媒体が効果的ですね。また、店頭や店内で行うインストアプロモーションも有効でしょう。
3.ターゲットのニーズに対応した企画を実施する
上記でお伝えしたように、まずターゲットの明確化にともなう手法の選択が重要です。その上で獲得したいターゲットが求めているサービスや情報提供の手段を考えることが大切です。
一般的なマーケティングデータの他に、獲得済の顧客データを活用する時。その場合は更なる自社分析や実績データをクロスして企画を考案します。また、競合企業や店舗の研究分析も行いましょう。
4.アフターフォローを行う
セールスプロモーションはスポットで行うイベントではありません。目的やターゲットに則して実施した後も施策は続きます。つまり、継続的な販売促進活動なのです。
そのためには、プロモーション実施後のお客様へのフォローもとても大切です。アフターフォローの方法には、たとえば下記のようなものがあります。消費者側に立ってリピートを促す企画を考えましょう。
- キャンペーン後のアンケート(現地でアナログ実施、QRコードを活用など)
- キャンペーン後のモニター募集
- リード獲得者へのお礼メールやメルマガ送信
5.効果測定と分析を行う
最後に重要なポイントについてご説明します。それは、効果測定による効果の分析データ作成です。
つまりプロモーションの結果を効果測定することで次回以降の施策に有効に反映させるのです。たとえば以下のような効果測定方法があります。
- 店舗のPOSデータを取得し資料を作成
- Web広告やSNS広告のクリック率やコンバージョン
- 会員カードからの集計結果
- アンケート情報 など
まずは、上記のようなデータを整理して分析します。さらに具体的な分析を行うには「事前と事後の双方の比較(違い)」が重要です。
そして、これらを実施した後に、次回以降に向けた改善点や課題を洗い出しましょう。その後、対策をしながら、目標達成を目指してPDCAをしっかりまわしていきます。
セールスプロモーションで使用するツール【事例紹介】
さて、セールスプロモーションに使用するツールは、目的や展開手法によりさまざまな種類や型式があります。また、ターゲットにあわせた採択も重要です。
ここでは、セールスプロモーションに使用されるおもなツールをご紹介します。
チラシ・リーフレット
販促ツールの定番だった、チラシやリーフレット。しかし、デジタルツールが主流の現代でも、シニア層ターゲットのプローモーションには大活躍します。また、興味対象の方の保存率が高く、デザインにより情報が伝えやすいのもメリットです。さらに、テレビやCM、Webとの連携でメディアミックス展開も可能です。
また、配布方法については、新聞折り込みやポスティング、現地での手配りなどがあります。
DM(ダイレクトメール)
顧客リストやアンケート回収などで取得したリードに対して送付する定番ツールです。また、多種多様なハガキや封書スタイルから選べるのも魅力。たとえば、圧着式ハガキ、透明封筒入り封書などがあります。
具体的には以下のような展開があります。
- キャンペーンやイベントの事前告知
- 限定商品やサービスの紹介
- 商品カタログやパンフレット
- キャンペーン後のアンケート依頼
上記のように、掲載する内容を工夫することで、事前告知から直接販促、アフターフォローまで多くのシーンで活用できます。
さらに近年ではデジタルとの連携活用も人気です。メール登録者やリード獲得者のWeb行動にそって、効果的な紙のDMを送る手法です。こちらもメディアミックスを有効に使用するアイデアですね。
POP(ポップ)
店舗やイベント会場に掲出。商品やサービス内容をわかりやすくビジュアルから伝える紙ツールです。キャンペーンプローモーションやインストアプロモーションには欠かせません。
対人接客しなくてもPOPがダイレクトに魅力を伝えてくれる伝統的なツールです。
以下のようなコンテンツを掲出します。
- 商品やサービスのネーミング
- 商品やサービスの特長、金額
- 限定のお得情報や特典
- 店主やスタッフのおすすめコメント など
また、最近ではPOPのデジタル版とも言える「デジタルサイネージ」の活用も見られます。文字だけではなく、画像や動画を流すタイプも増加しています。
SNS
今やセールスプロモーションの主流ツールになりつつあるSNS。利用ユーザーがコンテンツにより異なりますので、ターゲットとの適正を考えて活用しましょう。若年層の場合はInstagramやTwitter、シニア層ならばFacebookなど。動画では若年層にはTikTokが支持されています。YouTubeは比較的広い年齢層から支持されています。
また広告出稿以外のことはアプリのダウンロードをはじめ、無料で利用できるのも魅力。コスト削減して、セールスプロモーションが実施できます。なお、SNSを運用することで、ファンづくりに繋がります。消費者にシェアしたいと思ってもらえるようなコンテンツを中心に投稿していきましょう。そのため、SNS運用・管理を行う担当者を新たに設置する必要も。
さらに注目点は認知度の拡大効果です。幅広い層にアプローチ可能でユーザーの拡散にも期待できます。 広告出稿を検討する際は、ターゲティングもしやすくセグメントしやすい媒体です。
セールスプロモーションまとめ
商品やサービスの魅力を伝え消費者の購買行動につなげるセールスプロモーションについて。最後に、ご紹介した記事は以下の通りです。御社の経営戦略の参考にしてください。
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