「SDGs推進パートナー登録制度」は日本全国の県や市等の自治体が地域の大手企業・中堅企業・中小企業や団体に向けて行っている登録制度です。さらに、この取組は共に持続可能な社会を実現しようという「17 パートナーシップで目標を達成しよう」をゴールにした制度になります。
それでは、この「SDGs推進パートナー登録制度」について詳しく内容を紹介します。
目次
まず、SDGs(エスディージーズ)とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。また、17のゴール・169のターゲットから構成された2030年までに持続可能でよりよい世界を達成するための国際目標です。
SDGs推進パートナー登録制度とは?
SDGs推進パートナー登録制度とは、県や市などの自治体が、地域の企業や組織、団体等に対してSDGsの取り組みを支援する制度です。
そして、持続可能な社会の実現に向け地域から取組を広げていくことを目的としています。つまり、自治体と地域企業・団体が共に連携してSDGsを達成するための登録制度です。
実は、SDGsと自治体の多くが課題としている地方創生は大きな関わりがあります。というのも、地方創生は持続可能な「まちづくり」のこと。つまりは、持続可能な開発目標であるSDGsの達成と非常に密接なのです。そのため、地方創生を推進したい自治体が民間企業のSDGsの取り組みを後押しすることは、地域課題解決の促進を図ることができ、相乗効果が臨めます。
地方創生にSDGsを取り入れると、目指すべき目標が「SDGs」とわかりやすいため、行政、民間企業、サービスを受ける市民といったステークホルダーが、互いに相違のない共通認識を持って取り組むことができるというのも大きなポイント。より一致団結して協力し合うことができます。
また自治体によっては独自のSDGsマークを作って、登録承認の盾やロゴデータを登録企業・団体へ配布し、企業に活用してもらうことで、さらなる啓発になるような取り組み等も行っています。なお、自治体がSDGsパートナー一覧をホームページに掲載することも多く見受けられます。企業の認知が広がる機会になるため、企業側のメリットとも言えます。
そして自治体によっては登録希望の企業がSDGsの取り組みを情報発信しているSDGsサイトを持っていることが登録申請の必須条件である制度もありますので、まずは各自治体サイトをご確認ください。
登録企業のメリット
取り組みを自治体がPR
県や市などの自治体サイトなどで、登録企業のSDGsに関する取り組みや活動を広く情報発信し、アピール・支援します。
パートナー同士の交流
他の企業や団体等とネットワークを構築することができ、新たな連携につなげ企業の紹介など交流を生み出します。
イメージや信頼性が向上
登録することで、イメージや信頼性向上、企業内や団体内の人員にSDGsへ取り組みの重要性をさらに強化することができます。
また、取引先企業や新規取引先へもアピールができます。さらに現在、SDGsに対応している企業対象で融資を積極的にする金融機関も増えています。
SDGsに取り組むきっかけに
最近ではSDGs(エスディージーズ)が経営にとって重要であることの認識が広まり、SDGsに関する取り組みを行う中小企業(SDGs経営)が増えてきており、簡単にできる取り組みのスタートとしてSDGs推進パートナー制度に登録をする企業も増えています。
またSDGsに関心の高い地域では、登録目標数を大きく上回る申請数になっています。
そしてSDGs推進パートナー登録制度に登録する申請書類(チェックシート等)を作成する際に、普段の企業活動の中に「SDGsの取り組み」が沢山あることに気づきます。
また既存の取り組みをSDGsの17のゴール・169のターゲットに分類化する「棚卸し」をすることで、「社会」「経済」「環境」の「3つの側面」の中の何に力を入れていて、何が足らないのかがわかり見える化ができます。
さらに経営と紐づいた「重要目標」を策定することもでき、SDGs宣言をすることも可能になります。したがって、すでにSDGsを実践している企業も申請書作成の際に新たな気付きがあります。そのようなことから、積極的に登録に参加する企業が増えています。
全国自治体のSDGs推進パートナー登録制度まとめ【2023年4月最新版】
各地域の企業や団体向けのSDGs推進パートナー登録制度に関するウェブサイトを下記に一覧でまとめましたので、自社の所在地エリアで登録を行っていください。2023年最新版のまとめ一覧になります。
下記の地域名をクリックすると自治体の募集ページが開きます。現時点では以下の自治体だけですが、今以上に地域がSDGsを支援するパートナー制度が増えてくると予想されます。
また、こちらは中小企業にとって参加しやすい取り組みであり登録制度となっています。ぜひご利用ください。
なお、サイト内からは、提出用の申請書類や変更届等の関係書類のPDFも添付されています。ウェブサイト内各種メニューのリンクからダウンロードし、必要に応じてご使用ください。
2023年4月現在のまとめになりますので、下記に希望の自治体がない場合は念の為「希望の自治体名」「SDGs」で検索して確認してください。
SDGsパートナーに登録する際には、登録要件があります。「SDGs達成に向けた取り組みを行っているか」というのは共通の事項として多く見受けられます。他にも「登録する自治体内に企業の事業所が存在している」「登録する自治体と連携して取引した実績がある(する予定がある)」など、それぞれの自治体によって条件が異なります。自治体によりますが、SDGsに関する担当の課がありますので、相談するのもおすすめです。
5.SDGs取り組みの具体的な進め方
SDGs推進パートナー制度に登録することは、SDGsの取り組むことの行動の1つです。重要なのは自分たちの企業・団体らしい目標を持って進めて行くことです。
ただ「何から取組んでよいのかわからない」という中小企業様の声をよく聞きます。
担当者や事業者がたった1人で手探りでなんとなく取り組んでいては意味がありません。しっかりと計画を持って取り組むことを案内しています。またSDGsはビジネスに重要な経営戦略であることを忘れずに進めてください。
第1段階の進め方としては、まずは社内や組織内でSDGs教育を促進していくことが必要です。そして「SDGsとは何かの説明」や必要に応じで「SDGsに関連するセミナーやワークショップ」などを実施することで社員の意識を向上させます。
また企業として「この取り組みをしないと永続的に企業・産業が存続できない」という「重要課題」を策定することがとても大切になるのですが、経営者と社員の目線が必要となります。
そして「重要課題」を計画的に取り組み、年度ごとにPDCAを回しその達成度合いを経営計画書やサステナビリティレポート(SDGsレポート)・Webサイトなどで情報発信していくことが重要です。
例えば、各課に所属している若手たちと事業者で「1年間」というように期間を決めて、SDGs委員会やSDGsプロジェクトを創設。「重要課題」を策定し社内外へSDGs宣言を行いましょう。
さらにSDGsに関する具体的な活動内容や事例は、下記をご覧ください。