2015年にニューヨークにて開催された「国連持続可能な開発サミット」。このサミットを皮切りに採択され、誕生した国際目標、SDGs。

日本では、2017年に日本経済団体連合会が「Society 5.0 for SDGs」をスローガンに掲げ、日本企業のSDGs(エスディージーズ)に対する意識が強まりました。

しかし現在SDGsに積極的に取り組んでいるのは、ほとんどが大企業です。日本における企業の99.7%が中小企業であり、その数は421万社あります。ですので持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)は大企業だけでは達成できません。全ての中小企業が積極的に取り組むことで達成できることなのです。

中小企業の経営者から見るとSDGsは大企業が取り組んでいるイメージがあります。しかし、ここ最近では中小企業もSDGsの取り組みに関心を持ちはじめ。その波は地方にまで波及しています。そして現在中小企業の間では、ビジネスチャンスと捉えられ、ちょっとしたSDGsブームとなってます。

ただ、SDGsを正しく取り組んでいる企業は多くはありません。実際にどう進めればいいのか?何から取り組めばいいのか?という悩みを持つ経営者や担当者も多いのが現状です。

本記事では、現在のSDGsの取り組みの状況やサービス提供の必要性などを詳しく解説していきます。

高まるSDGsの関心度

近年各地の「SDGsパートナー登録制度」の登録数が増えています。それは地方の中小企業がSDGsに取り組みはじめたと言い換えられるのではないでしょうか。なぜ今重要視されているのか、以下で解説していきます。

中小企業も無関係でいられない

地方の中小企業でいち早くSDGsに取り組んでいるのが建築・土木系の会社です。「大手企業の下請け会社」や「国から公共施設建設などを請け負っている建設業」などが主です。「SDGs=エネルギー対策や脱炭素化、CO2削減など環境によいことをする」という漠然としたイメージがあるので、土木関係の会社は目的が一致しやすく、取り組む事例が多いです。SDGsの目標に含まれる課題の解決を事業活動の中で取り組みやすいのです。

また、そうでない企業もSDGsへの関心度が急速に高まっています。関連した事業やビジネスにSDGsを絡めて展開していけないかどうか検討する企業が多く見受けられます。

その理由は、中小企業の経営者に「無関係ではいられない」。という認識が広がったからだと考えられます。

このように、SDGsは全世界が問題の解決に取り組む大きな目標とされていますが、中小企業の活動が多大に影響します。もちろん、社員一人一人の「自分ごと化」も必要です。持続可能な未来づくりにつながるので、SDGsにまつわる貢献活動を推進していくことは重要です。

Z世代とSDGs

日本でも「SDGsはグローバルスタンダード」という考えが浸透しつつあります。特にZ世代はサスティナブルに対する意識が高い傾向があります。エシカル消費やその他の取り組みなどを生活レベルまで落とし込んでいます。

またInstagramで“#サスティナブルな暮らし”や“#サスティナブルファッション”などの投稿も増えています。サスティナブルやSDGsは彼らにとって身近でスタンダードになっています。

そしてZ世代の就職活動は「企業のSDGsへの取り組み」に関心が高いという事実です。面接の質問も「SDGsに関すること」が多くなっています。

ですから、就活生が企業を選ぶ時の「重要なものさしの一つがSDGsへの取り組み」であると言えます。SDGsに取り組んでいない企業は、彼らの選択企業に入らないと言えるのです。

さらに今では積極的にSDGsに取り組む小学校も増えています。小学生はSDGsという言葉やその内容を知っています。ですので「地方の中小企業だから」といって無視することができなくなっているのです。

SDGsと社会の相関図
SDGsと社会の相関図

SDGsに取り組まないリスクと取り組むメリット

地方の中小企業にてSDGsの取り組みが高まっています。その理由の一つは、自治体が行っている「SDGsパートナー登録制度」。そして「地方銀行のSDGs取り組みサポート」にあります。

もう一つは、エスディージーズに関するセミナー開催が盛んになっている。これらにより経営者に「取り組まないリスク=デメリット」と「取り組むメリット」が浸透したからです。無料のセミナーも開催されていますので、このような支援制度を積極的に活用しましょう。

SDGsに取り組まないリスクSDGsに取り組むメリット
既存取引先との取引解消既存取引先との取引継続
新規取引企業減少新規取引企業増
企業(ブランド)イメージ低下企業(ブランド)イメージ向上
消費者からの評価低下による売上減消費者からの評価向上による売上増
離職者増社員満足度向上による離職者減
求職者減求職者増による優秀な人材確保
金融機関からの評価減金融機関からの高評価

SDGsの取り組み方

SDGsに取り組みたいが、具体的に何からはじめていいのかわからない。どのように進めていくのかわからない。

そのような企業や団体に向けてSDGsコンパスという行動指針が用意されています。まずは、取り組みを難しく考えすぎないことが大切です。社内で取り組める可能性が高い事柄から優先して、チャレンジしてください。

県や市のSDGsパートナー制度を活用する

SDGsパートナー登録制度とは、企業または団体に向け、SDGs達成に向けた具体的な取組を促進する制度です。そのほとんどが県・市または町などの自治体が運営しています。自治体とともにパートナーシップで持続可能な社会を実現するための登録制度です。

下記の記事にて全国のSDGsパートナー登録制度を紹介しています。まずはSDGsパートナー登録制度登録で、自社の現状を知る機会にしましょう。自社の「棚卸し」が取り組みスタートになります。

取り組みを情報発信する

SDGsコンパス「ステップ5」の「情報とコミュニケーションを行う」が重要です。

SDGsの取り組みをやっているのにアピールできていない会社がほとんどです。取り組みに対しての報告や情報発信をしなければ、第三者からの評価が得られません。評価が得られることで自社の価値が上がり、持続可能な企業へと成長していくのです。対外的なアピールをチャンスと捉えて、ホームページなどを通して積極的に情報を発信していきましょう。

誰に向けて情報発信をするのか?
既存取引企業や将来の新規取引企業
消費者
社員
求職者
金融機関
どうやって情報発信して伝えるのか?
SDGs宣言
SDGs委員会
企業ツール(会社案内・名刺・封筒など)
SDGsサイト
SDGs取り組み動画
公式SNS
SDGs(CSR・サステナビリティ)レポート