採用ブランディングとは、企業の認知度の向上や求職者の入社意欲を高めるために、自社独自の価値や魅力を創出し、それらを伝えること。企業の採用活動において、自社に対してポジティブなイメージを持ってもらうことができるため重要な施策です。

本記事では、成功事例を交えながら、採用ブランディングのメリットや効果、取り組み方をご紹介していきます。

採用ブランディングが注目されている理由

2023年(令和5年)3月末時点の日本国内有効求人倍率は約1.35倍となり、微増の傾向にあります。コロナの感染拡大が始まった2020年春以降、減少を続けた有効求人倍率。

依然コロナ禍は収束とまでは言えない状況です。しかし、コロナ禍も4年目を迎え、社会経済活動の回復で求人数も増加し始めています。

また、2022年10月11日から海外からの水際対策制度が大幅に規模緩和されました。入国者数の上限撤廃や個人旅行者の入国も解禁され、ほぼコロナ禍前の状態に。

さらに、2023年4月29日には、水際対策が撤廃に。日本入国時の各種証明書は不要になりました。また、5月8日には新型コロナウイルスが季節性のインフルエンザと同等の「5類」へ移行となりました。GWは、各地の観光地では大賑わいの様子がワイドショーやニュース番組で映し出されていましたよね。

そこで、国内外から観光客の増加が見込まれる観光業では、新たな現場対応スタッフの増員が急務となっています。消費者の購買意欲が高まることも期待。その影響で採用の売り手市場化や獲得競争が予測されますね。

企業ブランディングと同様に採用ブランディングにも注力を

そんな背景に伴い、企業や店舗の採用が活性化します。そして、いわゆる「求人難」の状態が発生することは明確です。採用活動は募集告知を出す以前から始まっています。

企業ブランディングが事業の成長に不可欠なのと同様に採用ブランディングの重要性を把握しましょう。それを軸にして積極的に取り組むことで、御社の採用内容が大きく向上します。この機会に競合他社と異なる施策で差別化した上で、実績が向上する独自の採用ブランディングに取り組んでみませんか?

中堅企業・中小企業様向けの採用活動を応援し、雇用の安定につなげるために。今回は大きな注目と関心を集めている、採用ブランディングの可能性についてご紹介します。

採用ブランディングの目的、メリット、取り組み方、成功のポイントを詳しく解説。御社の求人広告打ち出しの参考にもご利用ください。

自社実績の成功事例ツールも公開!

デザインラボではさまざまな採用ブランディングツール制作の実績を保有。実際に提案した応募増加に必要なノウハウや企画の一部をご紹介します。ぜひ最後まで読んでください。

採用ブランディングの目的とは

採用情報を発信する際、自社の魅力を十分に伝えていますか?

中小企業の採用情報を発信する時に重要なのが、企業の魅力をしっかり伝え理解してもらうこと。つまり、それが採用活動を成功につなぐ大切な第1歩です。まずは下記のような基本的な会社の魅力や情報について。現在の表現方法やキーワードについて整理しましょう。

  • 企業理念の共有
    求職者に企業の核となる理念を共有・共感してもらい、入社する意義や信頼を高める。
    働きたい意欲を持つことで、入社後の自分の姿を誰でも前向きに想像しやすくする。
  • 価値観やビジョンの共有
    わかりやすい言葉で企業の価値や目指している経営ビジョン、事業の社会的な存在意義を知ってもらえる。

採用ブランディングは、企業の認知が広がる場にもなります。

採用ブランディングで「求職者の質を向上」

採用ブランディングの実施で、企業の理念や価値観の訴求、ビジョン共有が可能に。

その結果、自社のニーズにフィットし、求職者の希望にも見合う人材獲得が実現します。面接時の認識ギャップによる「ミスマッチ」がなくなり、内定辞退者の減少や早期の離職を防ぐことにつながります。また、求める人物像の明確化や定着化にも効果的です。

つまり、採用ブランディングで求職者の基礎となる“質”を向上させる、よい効果が期待できる人事戦略なのです。

採用ブランディング 7つのメリット

では、採用ブランディングを行った結果、どんな効果やメリットが生まれるのでしょうか?ブランディングにより企業から正しいメッセージを届けることで、次のような点のメリットもあります。

インナーメリットにも期待(社内組織での効果)

  • 自社の価値や魅力(企業力、サービス・製品商品力等)を確認・見直し・再発見・共有できる
  • 企業理念や事業戦略の共有につながる人材の資質が深く明確になる
  • 自社の魅力を再認識することでモチベーションが高まり意識が向上する

採用ブランディング 7つのメリット


  1. 企業の認知度と印象が向上する
  2. 求職者の心に届く企業価値や魅力を明文化できる
  3. エントリーの質が向上する
  4. 入社希望者数が増加する
  5. 企業と採用者のミスマッチが減少し、離職率や早期退職離脱者数が低下する
  6. 企業ビジョンとビジネス戦略を共有する有能な人材社員が獲得できる
  7. 採用コスト削減により結果的に販売管理費の削減につながる

これらのように企業ブランドや企業イメージ向上にも直接一致するメリットと役割も。言い換えれば取り組まないこと自体がデメリットになるとも言えますね。

採用ブランディングの取り組み方

採用ブランディング 取り組みの流れ(進め方)

選ばれるブランディングに取り組む際の流れのステップ概要を簡単な一覧でご紹介します。

自社の強みなど情報を整理・分析する

採用ターゲット(ペルソナ)
を明確にして設定する

採用ブランディングのコンセプトを立案作成する

情報発信
の手法やツールを決定する

予算や社内フレームワーク、運用方法や初動期間などを考え計画を立てる
全体的な運営マネジメントを行う

評価や効果測定の方針を決めて行い継続的にアップデートする

従業員の意識調査をデータに

取り組みの際、既存社員を対象にした意識調査データも参考にすると良いでしょう。広報編集部署などと連携して社員インタビューやアンケートを広く実施。中でも、職場の雰囲気や自身の就活時エピソードなどを集めてみましょう。

また以下のような応募者が知りたい社内情報や要素をリサーチするのもおすすめです。

  • 社風(働いて感じるイメージ)
  • 入社の理由(転職理由なども)
  • 新卒の場合、学生時代の就活経験
  • スキルの向上・キャリアアップ・人材育成の社内支援やフォロー体制
  • 入社後働く現場で役立つ資格
  • 休暇制度など福利厚生の内容
  • 実際に自分が登録やダウンロードした資料

以上のほか、近年ではSGDsや女性活躍などダイバーシティといった情報も求められています。

採用情報の「オンライン」での発信ツールについて

ブランディングのコンセプトやビジュアルテーマに沿って、採用の手法や手段を考案し具体的に各ツールなどを決定。まず最初におもなツールやメディアを紹介します。

これからさらに強化導入したいオンラインでの発信はおもに3つの手法があります。また採用キャッチコピーを考案して各種発信ツールに戦略的に使用するのも効果的です。

採用SNSアカウント
SNSを活用する「ソーシャルリクルーティング」の言葉も普及。Instagram、Facebook、Twitter、YouTubeなど。つまり、あらゆるSNSを活用して行われる採用活動を意味します。新卒採用やキャリア採用をはじめ20代の若年層へのアプローチ利用されています。無料で活用できるのも魅力。他のメディアと比較してコストが少なく設定できます。

採用動画
最近の採用コンテンツで主流トレンドの一つになりつつある採用動画発信。また、Twitter、Facebook、InstagramなどSNSでの情報拡散によるエンゲージメントアップも期待できます。言わば「デジタル口コミ」仕組みですね。さらに「仕事の特徴や業務内容の知識解説も動画活用で理解が高まった」との意見も。難しい内容でも情報伝達力が高く現代の求人ニーズやカルチャーにマッチする最新ツールです。

採用サイト・ページ(サイトとページの違い)
採用サイトは採用情報に特化したWebサイト。採用ページはコーポレートサイト内に採用情報ページを掲載するものです。また、HRに注力する法人では検索数が期待できる採用サイトを開設するケースが多くみられます。オウンドメディアを立ち上げ、運用するもおすすめ。

オンラインツールで成果を得るポイント


オンラインの採用取り組みで成果を上げるには。第一の条件は「続けること」です。継続することで確実にエンゲージメント率が上がり効果を発揮します。そして更新日のスパンを短くして興味対象のコンテンツを打ち出しましょう。できれば営業、エンンジニア等多職種の人的協力を用いたネットワーク作りの検討も。関わる人材の専門知識を活かしましょう。

オンラインでの採用取り組みは特に若年層に適しています。社員が社外での集まりなどで拡散してくれる、限られたケースもありますね。また、少なくともその企業に興味がなかった人にもデジタルからつながっていくことも可能です。

採用情報の「オフライン」での発信ツールについて

採用パンフレット
WebやSNSからの情報取得が主流の現在。しかし、会社説明会や企業訪問時に渡す資料ツールとしては紙媒体も有効です。また、冊子タイプでしっかりとデザイン制作すれば、特別感を与える優秀な演出ができて印象度がアップします。誌面にQRコードを付けて採用サイトにいける仕組みもおすすめです。

採用チラシ
中途採用の募集に活用されることが多い採用チラシ広告。また、地域密着型の求人の場合はエリア限定のポスティングなどが効果的。拠点採用を重視する際には効率の良い従来モデルのツールです。

また、以下のようにイベントなどの開催も。それに付随したツールの展開も可能です。

採用イベント
交流会などのミートアップイベント、セミナー、インターンシップなど。企業説明会以外にもさまざまな採用イベントが企画されています。それにより、事業内容の詳細や求める人材についての理解を深めます。社員との接点増加を含めコミュニケーション形成の機会としても有効です。

採用ノベルティ
会社説明会の参加時にパンフレットと一緒に渡すことが増えた採用ノベルティ。また、近年では企業SDGsブランディングを伝えるアイテムも人気の1つです。たとえば、クリアファイルならプラスティック不使用の紙製や木製などを一度検討してみては?

採用説明会ブース
最新の企業情報をリアルに伝えるチャネルでもある採用ブース。採用合同説明会や企業説明会の出展時にはブースデザイン設営に関するツール類が必要です。たとえば、タペストリー、スタンドバナー、ポスター、テーブルクロスなどの用意を。加えて、イメージ統一による一貫性を持ったブランディング効果を実践しましょう。

新入社員用OJTツール
たとえば、マニュアル動画、マニュアルブック、OJT実践ノート、研修プログラム、専用レポート用紙など。このように、オンライン・オフライン双方の場所での開催を視野に入れて準備しましょう。

採用ブランディング 成功のポイント

・企業全体での取り組みが必要
社内でのいろいろな意見を聞き、職場環境が悪ければ改善も必要になります。
企業の理念や指針を中心に伝えるのではなく、企業全体で採用者を迎えるべく取り組む姿勢と行動が大事です。

・経営戦略と連携する
採用実績をあげるだけではなく、企業の価値向上や成長につながるブランディングを実装。代表や経営者サイドと認識やマネジメント定義を徹底共有して進めましょう。

・綿密な計画手順を決めて継続的に取り組む
知名度が低い企業では成果が見えるまで時間がかかる場合もあります。そこで2つの注意点があります。社内で定期的なチェック更新体制(フロー)を確立し、ブラッシュアップを。そして、中長期計画設計で未来を見据えて社内外にブランド理念を浸透させましょう。

まとめ|採用ブランディングでニーズにマッチした人材獲得へ

採用施策で重視されてきた「求職者の応募数を増やす」ことからの転換を

採用ブランディングの実施で人材雇用の成功目標が変わります。「応募数の増加」から自社ニーズにマッチした「スキルの高い人材」「質の高い人材」獲得へ。そして選考方法基準の明確化にも役立ちます。母集団数を増やすだけでは得られない「わが社のファン」がより集まる適切な活動とも言えます。

また、採用ブランディングは構築することが最終ゴールではありません。「会社を成長させる仲間を増やす」。「社会に必要な会社となるための共通人材との出会い」。

先を見渡す目標を掲げてPDCAを回し定期的な検証や改善を繰り返すことが大切です。そして、社会の変化に対応し競合に打ち勝つ「強いブランド」を育ていきましょう。

お客様のご相談ランキング1位は「採用についてのお悩み」

弊社グループの営業マンに、お客様からのご相談ご質問内容をリサーチしました。

商品PRやアピールについてが1番かと思っていたところ…。その結果、最も多かったのが「採用のお悩み」「なぜ従業員が定着しないのか」でした。そのためそれを踏まえて採用に関する課題を解決してもらえる施策を多数考案しています。

デザインラボでは、顧客様のお悩み解決を通してご事業の実績向上につなげることを指針としています。もちろん採用に関しても、お客様企業ごとの課題やターゲットに合わせて、ていねいなヒアリングを進めることがモットーです。その後、時代に則した最適なツールや施策を考案し提供させていただきます。

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