こんなお悩みはありませんか?
・複数店舗の販促ツールの効果測定の方法がわからない
・店舗ごとに報告する数字が異なり、販促効果を比較できない
・チラシ・店頭POP・Web広告・SNSの反応を分けて把握したい
・来店や問い合わせは増えたが、どの施策を続けるべきか分からない
・配布量や店舗規模が違うため、件数だけで評価してよいか迷っている
・販促結果を、次回の企画や予算配分に生かしたい
複数店舗の販促効果測定では、全店で数字の定義をそろえ、店舗ごとの条件を踏まえて結果を確認することが重要です。まずは、測定の目的と記録方法を決め、実施前から準備を進めましょう。
この記事を読んでわかること
- 複数店舗で販促効果を測定するための準備と手順
- 来店・クーポン利用・問い合わせなどの指標と計算方法
- 店舗別・媒体別に反応を記録する方法
- 条件が異なる店舗を比較する際の注意点
- 紙とWebを連動させた制作事例と、架空の測定例
- 結果の振り返り方と改善に向けたチェックポイント
デザインラボでは、集客・認知度アップなどでお困りの企業様や店舗様に、広告宣伝・販売促進などのマーケティング支援を行っています。チラシやポスター、Webコンテンツなど、販促に関するお悩みをお気軽にご相談ください。
複数店舗の販促効果測定とは?
販促の効果を確かめる際は、売上の増減だけで判断せず、目的に合った行動が生まれたかを確認します。まずは、複数店舗で測定する際の基本的な考え方を整理しましょう。
デザインラボでは、集客・認知度アップなどでお困りの企業様や店舗様に、広告宣伝・販売促進などのマーケティング支援を行います。クライアント様に寄り添う丁寧なご提案がモットーです。現在、企業様の抱えているお悩みを「無料にて相談できる」サービスを実施しています。もちろん正式依頼でなく相談のみでもお気軽にどうぞ!
目次
目的と実施条件をそろえて反応を確認する
複数店舗の販促効果測定とは、販促の目的に対応する指標を共通の定義で記録し、店舗・媒体・実施条件ごとの結果を比較して改善に生かすことです。
たとえば、新規来店を目指す企画と、来店済みのお客様に追加購入を促す企画では、確認する行動が異なります。そこで、企画ごとに何を成果として扱うかを決めましょう。
また、同じ企画でも、配布量や特典、営業時間が違えば結果は変わります。数字だけでなく、その数字が生まれた条件も残すことが大切です。
販促の反応と店舗での実施状況を分ける
販促の反応が少なくても、企画そのものに問題があるとは限りません。告知の開始が遅れた、対象商品が欠品した、クーポンを受け付ける手順が共有されていなかった可能性もあります。
そのため、来店や購入などの成果と、掲出・配信・接客準備などの実施状況を分けて確認します。
まずは予定どおり実施できたかを確かめ、そのうえで反応を評価しましょう。制作や承認の進め方は、関連記事「複数店舗の販促物を統一するには?デザインルールと運用方法を解説」で紹介しています。
複数店舗で使う指標の選び方
確認する数字を増やしすぎると、店舗の報告負担が大きくなります。そこで、販促の目的に直結する指標と、結果を理解するための補助指標を分けて選びましょう。
来店・予約・問い合わせなどの主な成果を決める
まず、今回の企画でお客様に取ってほしい行動を決めます。次の表は、指標を選ぶ際の整理例です。
| 販促の目的 | 主な指標の候補 | あわせて確認すること |
|---|---|---|
| 来店を促す | 来店件数、来店予約件数 | 来店の数え方、新規・既存の区分 |
| 相談につなげる | 問い合わせ件数、相談予約件数 | 重複、対象外の問い合わせ |
| 特典の利用を促す | クーポン利用件数 | 配布数、利用条件、利用期限 |
| 商品購入を促す | 対象商品の販売数量・売上 | 在庫、価格、返品、値引き |
| 次回利用につなげる | 再来店件数、次回予約件数 | 対象者、追跡期間、識別方法 |
また、予約の申し込み件数と実際に来店した件数では意味が異なります。予約と来店は、別の指標として記録してください。
閲覧やクリックは成果に至る途中の反応として見る
Webページの閲覧や広告のクリックは、告知への反応を確認する材料になります。ただし、閲覧したことと来店・購入したことは同じではありません。
たとえば、アクセスが増えても予約が増えていない場合は、対象者、掲載内容、予約までの導線などを確認します。一方、アクセスは少なくても、目的に合う相談が生まれている場合もあります。
そこで、閲覧、予約、来店、購入を分けて記録しましょう。また、閲覧数、ユーザー数、セッション数を混同せず、報告する指標名を統一することが大切です。
売上と費用・利益をあわせて確認する
売上が増えていても、大きな値引きや追加費用によって、利益が減っている可能性があります。そのため、対象商品の売上だけでなく、費用と利益の関係も確認します。
また、広告費だけで評価する場合と、制作・印刷・配送まで含める場合では、費用対効果の見え方が変わります。何を費用に含めたかを明記しましょう。
まずは、対象商品の販売数量、売上、値引き、販促費を整理します。粗利益まで確認できる場合は、社内の会計ルールに合わせ、算出範囲をそろえて評価してください。
販促効果測定で使う計算方法
割合や1件あたりの費用を使うと、規模の異なる施策を整理しやすくなります。ただし、分母や費用の範囲が異なれば比較できません。ここでは、基本的な計算方法を紹介します。
反響率は何を反応として数えるかを決める
反響率は、定義した反応件数を配布数などの対象量で割り、100を掛けて求めます。
たとえば、チラシの配布数を分母にする場合は「反応件数 ÷ 配布数 × 100」で計算します。ただし、反応に問い合わせを含めるのか、来店を含めるのかで数字の意味は変わります。
また、同じお客様の電話とフォーム送信を別々に数えると、人数とは一致しません。集計前に反応の種類と重複の扱いを決めましょう。
基本的な考え方は「反響率とは?チラシやポスティングの集客に必要な指標や方法を徹底解説」も参考にしてください。
クーポン利用率は配布と利用の単位をそろえる
本記事では、配布数を分母とするクーポン利用率を「利用件数 ÷ 配布数 × 100」として扱います。ほかの分母を使う場合は、指標名と計算条件に明記してください。
たとえば、クーポンを含むチラシを1万枚配布し、利用が40件あった場合は0.4%です。これは計算方法を示す架空の例であり、業界平均や成果実績ではありません。
また、複数回使えるクーポンの利用件数は、利用者数とは異なります。再利用を認める場合は、利用回数と利用者数を分けるなど、集計の目的に合わせましょう。
1件あたりの費用は成果と集計範囲を明記する
1件あたりの費用は「対象とする費用 ÷ 成果件数」で求めます。問い合わせ、来店予約、クーポン利用など、何の1件あたりかを必ず明記してください。
たとえば、制作・印刷・配布の合計が20万円で、クーポン利用が40件なら、利用1件あたりの費用は5,000円です。ただし、これは新規顧客1人を獲得した費用を意味するものではありません。
また、広告管理画面のCPAと、社内で計算した総費用ベースの数値は、費用や成果の範囲が異なる場合があります。名称だけで比較せず、計算条件を確認しましょう。
計算時に確認したい共通ルール
指標を共有する際は、計算式に加えて、次の条件も記録します。
| 確認項目 | 決めること |
|---|---|
| 分子 | 問い合わせ、利用、予約、購入などの対象 |
| 分母 | 配布数、配信数、対象者数などの対象量 |
| 集計単位 | 件数、人数、回数、枚数の区別 |
| 対象期間 | 告知期間と反応を受け付ける期間 |
| 重複・取消 | 同一案件、再利用、キャンセルの扱い |
| 費用 | 広告費のみか、制作・印刷なども含むか |
なお、分母が0の場合、割合や1件あたりの費用は計算できません。「0%」「0円」とせず、算出不可として理由を記録してください。
店舗別・媒体別に反応を記録する方法
複数の店舗や媒体を使う場合は、反応を区別するための情報を実施前に用意します。クーポンコード、QRコードのリンク先、予約時の店舗選択など、取得できる情報に合わせて設計しましょう。
店舗コード・企画コード・媒体名を統一する
まず、店舗、企画、媒体を識別できる共通の名称を決めます。同じ店舗を「A店」「駅前店」「001」と別々に記録すると、集計時に確認が必要になります。
たとえば、店舗は「store01」、企画は「autumn01」、媒体は「flyer」など、社内で重複しないコードを用意します。これらは命名例であり、決まった規格ではありません。
また、制作物や配布時期を変える場合は、版番号や実施回も記録しましょう。何を変更した結果なのかを後から確認できる状態にします。
紙の販促物はコードと実際の配布数を記録する
チラシやクーポンでは、店舗別・媒体別の識別コードを用意する方法があります。そのうえで、印刷数、店舗への納品数、実際の配布数を区別しましょう。
たとえば、1万枚を印刷しても、配布が8,000枚なら、配布数を分母とする指標には8,000枚を使います。余部や未配布分まで含めると、計算条件が変わります。
また、店頭配布と周辺地域への配布では、接触する相手が異なります。配布方法をまとめず、どこで誰に渡したかも記録してください。
Webへの流入は識別用の情報を付けて確認する
Webページへ誘導する場合は、URLにUTMパラメータなどの識別情報を付け、Google アナリティクスで流入を確認する方法があります。
たとえば、企画名、媒体、店舗別の制作物を識別できるように値を整理します。また、QRコードは図柄が違うだけで区別できるわけではありません。読み取り先のURLや計測方法を分ける必要があります。
なお、識別できるのは、そのリンクを経由した計測可能なアクセスです。チラシを見た後に店名で検索した行動まで、自動的にチラシ経由と分かるわけではありません。
UTMの設定例と確認ポイント
次の表は、店舗別チラシからの流入を整理するための設定例です。
| 項目 | 設定例 | 識別する内容 |
|---|---|---|
| utm_source | store_flyer | 流入元となる告知 |
| utm_medium | 紙媒体からの流入 | |
| utm_campaign | autumn01 | 対象キャンペーン |
| utm_content | store01_v1 | 店舗と制作物の版 |
値の付け方は社内ルールとして統一し、大文字・小文字の違いにも注意しましょう。また、設定後は実際にアクセスし、必要な情報が記録されるかを確認します。
設定方法は、Google アナリティクス公式ヘルプも参考にしてください。
店頭・電話の反応は受け付け方法をそろえる
店頭や電話では、企画コードの入力、クーポンの確認、来店きっかけの質問などを通じて情報を集めます。ただし、スタッフによって聞き方が違うと、結果を比較しにくくなります。
そこで、質問文、選択肢、入力場所、分からない場合の扱いをそろえましょう。複数の媒体を見たお客様には、複数回答を認める方法もあります。
また、回答がない場合を「その他」にまとめず、「未回答」「不明」と区別します。回答できた人だけの情報であることも踏まえて評価してください。
複数店舗の販促効果を測定する5つの手順
測定方法は、販促を始めてから考えるのではなく、企画段階で決めます。ここでは、本部と店舗が共有しておきたい準備から振り返りまでの手順を紹介します。
1.目的と主な評価指標を決める
まず、来店、予約、問い合わせ、購入など、今回の企画で確認したい行動を一つの中心指標として決めます。
たとえば、相談予約を増やす企画なら、予約件数を主な指標とし、来店件数や相談内容を補助的に確認します。一方、認知を広げる企画を、すぐに購入件数だけで判断するのは適切とは限りません。
また、目標値は過去の自社実績や実施条件を参考に設定します。根拠のない業界平均を当てはめず、初回は基準となる記録を残すことも目的にしましょう。
2.対象期間と成果の数え方を共有する
次に、対象店舗、告知期間、反応の集計期間、データ確定日を決めます。配布後に予約が入る施策では、告知終了と集計終了を同じ日にしない場合もあります。
また、予約取消、重複した問い合わせ、従業員によるテストなどの扱いを決めましょう。店舗別で集計する場合は、申し込んだ店舗と実際に利用した店舗も区別します。
そのうえで、必要な情報を本部と店舗へ共有します。後から数え方を変更する場合は、変更内容と適用時期を記録してください。
3.配布・公開前に計測の動作を確認する
識別用のコードやリンクを用意したら、実際の利用経路で確認します。QRコードの読み取り、ページ表示、店舗選択、申し込み完了までを通して試しましょう。
また、店頭ではクーポンの受け付けや入力手順を確認します。コードが判読しにくい、入力欄がないといった問題は、配布前に修正することが大切です。
さらに、テストで発生したデータを本番集計と区別できるようにします。制作担当だけでなく、実際に受け付ける店舗担当者も確認してください。
4.実施条件と反応を同じ表に記録する
実施中は、反応件数に加え、実際の配布数、掲出開始日、配信状況、欠品や休業などを記録します。予定値と実績値は、別の欄に分けましょう。
また、店舗別の数字を本部が集める場合は、提出日、担当者、確認状況も残します。未提出と反応0件を区別できる状態にすることが重要です。
数値に大きな変化があった場合は、入力ミスや計測不具合も確認します。そのうえで、実際の反応なのか、記録方法の問題なのかを判断してください。
店舗別の記録表に入れる項目
次の表は、共通の測定表を作る際の整理例です。
| 区分 | 記録する項目 |
|---|---|
| 識別情報 | 店舗、企画、媒体、制作物の版 |
| 実施条件 | 期間、対象商品、特典、配布方法 |
| 実施量 | 配布数、配信実績、掲出日数 |
| 反応 | 予約、来店、利用、購入などの件数 |
| 費用 | 広告、制作、印刷、配送などの対象費用 |
| 例外・確認 | 欠品、休業、未提出、確認者、確定日 |
また、数字の出所となる販売データや報告資料も分かるようにしておきます。集計結果を修正した場合は、理由と更新日を記録しましょう。
5.結果から次に変える条件を決める
最後に、結果と実施状況を確認し、続けること、変更して試すこと、終了することを整理します。
たとえば、閲覧はあるのに予約が少ない場合は、案内内容や入力の負担を確認します。一方、予定どおり配布できていなければ、表現を変える前に配布体制を見直す必要があります。
また、一度に多くの条件を変えると、何が影響したか分かりにくくなります。変更する理由と確認したい指標を決め、次回の企画書に残しましょう。
店舗ごとの結果を比較するときの注意点
店舗別のランキングは分かりやすい一方、規模や条件の差が結果に影響します。そこで、件数だけでなく、実施量に対する割合や、同じ店舗の過去との比較も組み合わせます。
件数・割合・費用を一緒に確認する
反応件数が多い店舗でも、配布量や費用が大きければ、1件あたりの負担は高い場合があります。一方、割合が高くても、件数が少なければ結果が変動しやすい点に注意が必要です。
そのため、反応件数、分母、割合、費用を並べて確認します。割合だけを抜き出して「この店舗が優れている」と判断しないようにしましょう。
また、クーポン利用が多くても、値引き条件や既存客の割合が異なる場合があります。売上や利益、企画の目的とあわせて評価してください。
商圏・営業時間・商品などの違いを記録する
駅前店と郊外店、平日中心の店舗と休日中心の店舗では、来店の場面が異なります。また、営業時間や対象商品の在庫も、反応件数に影響します。
そこで、同じ企画を比較する際は、商圏、営業日、商品、特典、配布方法などを確認しましょう。条件が近い店舗群に分けて見る方法もあります。
さらに、同じ店舗の過去実績と比べる場合も、曜日や祝日、季節、価格などの違いに注意します。条件が異なる比較は、その違いを示して説明してください。
反応が少ない場合は期間と集計単位を見直す
反応が1件から2件になれば、件数は2倍です。ただし、この変化だけで施策が安定して改善したとは判断できません。
そのため、件数が少ない場合は、比較可能な期間を増やす、条件が近い店舗群で確認するなどの方法を検討します。ただし、異なる企画や条件を無理に合算しないことが大切です。
また、結果を早く確定するために途中で都合のよい期間を切り取らず、事前に決めた集計期間と変更理由を記録しましょう。
売上の増加を販促だけの効果と断定しない
販促前後で売上が増えても、季節、天候、競合、値上げ、営業日数などが影響している可能性があります。
そこで、前年の同時期や実施条件が近い店舗なども参考にし、複数の情報から判断します。試行店舗と比較対象を設ける場合も、もともとの違いを確認してください。
また、比較対象があるだけで因果関係を証明できるわけではありません。「実施期間中に増加した」と「販促によって増加した」を区別し、確認できた範囲で報告しましょう。
紙とWebを組み合わせた成果の読み取り方
複数の媒体を使う販促では、一つの行動に複数の接点が関わる場合があります。媒体別の記録を役立てながら、数字を単純に足して評価しないことが重要です。
一人のお客様が複数の媒体に接することを想定する
たとえば、お客様がチラシを見た後に店名を検索し、Webページを確認して予約する流れがあります。この場合、最後に使った媒体だけでは、最初のきっかけまで分かりません。
また、アンケートでチラシとSNSの両方が選ばれた場合、その回答を足しても利用者数にはなりません。複数回答の件数と、実際の予約・来店件数を分けて扱いましょう。
まずは、記録上の経路と、お客様が回答したきっかけを整理します。どちらか一方だけで、すべての行動を説明しようとしないことが大切です。
広告管理画面と社内実績の数字を照合する
広告管理画面、アクセス解析、予約管理表では、成果を数える条件や期間が異なる場合があります。そのため、同じ名称の数値でも一致するとは限りません。
Google アナリティクスでも、成果に至る接点への貢献度を割り当てる設定があります。まずは、比較するレポートの指標、対象期間、集計方法を確認しましょう。
そして、予約の確定数や実際の利用件数は、社内の管理データと照合します。媒体別レポートの成果を単純合算せず、重複や取消を確認してください。
詳しくは、Google アナリティクスのアトリビューション設定をご確認ください。
制作事例|紙とWebの役割を分けた販促展開
媒体の効果を考えるには、最初に各媒体の役割を明確にすることが大切です。ここでは、デザインラボが手がけたファニチャードーム様の制作事例を紹介します。
ファニチャードーム様|Webでの集客と店内チラシを連動
ファニチャードーム様の事例では、新規客の集客と来店客の購買促進を目的に、Webとチラシを組み合わせた展開を行いました。
Web広告の誘導先には、チラシと同じ情報・画像素材を掲載しています。また、店内ではチラシを配布し、おすすめ商品やスタイル別のコーディネートを紹介しました。

この事例は、媒体ごとに役割を持たせ、情報と素材を連動させた制作例です。公開記事には媒体別の効果測定値が示されていないため、本記事でも数値成果としては扱いません。
同様の施策を測定するなら確認したいこと
同様に紙とWebを組み合わせる場合は、Webへの流入や予約と、来店後の商品案内・購入を分けて記録すると、媒体の役割を振り返りやすくなります。
たとえば、店内配布のチラシは、すでに来店しているお客様への案内です。そのため、店外で配布したチラシと同じ基準で、新規来店の獲得だけを評価しないようにしましょう。
また、配布数、対象商品の販売状況、接客時の質問なども確認候補になります。これらは本記事で提案する測定項目であり、当該事例で実施した測定内容を示すものではありません。
測定例|2店舗のクーポン施策を比較する場合
ここでは、架空のA店・B店が同じ期間に、クーポン付きチラシを配布した場合を紹介します。計算方法と比較の考え方を説明する例であり、実際の成果実績や業界平均ではありません。
件数と利用率で結果の見え方を確認する
以下では、配布1枚につきクーポン1枚、利用は1回までとします。費用は両店舗とも、当該施策の制作・印刷・配布費用を含めた想定です。
| 項目 | A店 | B店 |
|---|---|---|
| 実際の配布数 | 10,000枚 | 5,000枚 |
| クーポン利用件数 | 40件 | 30件 |
| 配布数に対する利用率 | 0.4% | 0.6% |
| 対象費用 | 200,000円 | 180,000円 |
| 利用1件あたりの費用 | 5,000円 | 6,000円 |
A店は利用件数が多く、B店は配布数に対する利用率が高い結果です。一方、利用1件あたりの費用はA店の方が低くなっています。どの指標を見るかによって評価が変わります。
売上や実施条件を確認して次の検証を決める
この表だけでは、どちらの店舗がより利益を生んだかは分かりません。利用時の購入金額、値引き額、新規・既存客の違いなども確認する必要があります。
また、B店の利用率が高い理由も、デザインの違いとは限りません。配布地域、客層、特典、在庫などを確認しましょう。
そのうえで、たとえば「A店とB店で配布条件をそろえて再度確認する」といった次の検証を決めます。条件を変える目的と、確認する指標をあらかじめ記録してください。
販促効果測定で起こりやすい失敗と対策
数値を集めても、定義や実施条件がそろっていなければ、改善に使いにくくなります。ここでは、複数店舗の集計で起こりやすい問題を整理します。
集計方法の違いと記録漏れを防ぐ
まずは、数字が違って見える原因が、施策ではなく集計方法にないかを確認します。
| 起こりやすい問題 | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 店舗ごとに件数の意味が違う | 予約と来店を同じ欄に入力 | 指標の定義と入力欄を分ける |
| 利用率を正しく計算できない | 印刷数と配布数を混同 | 実際の配布数を記録する |
| 媒体別の成果が重複する | 同じ案件を複数回集計 | 重複確認のルールを決める |
| 未提出が0件として扱われる | 未確認の状態を管理していない | 確定値と未確認を区別する |
| 集計後も数字が変わり続ける | 取消や修正の締切がない | データ確定日と更新履歴を残す |
また、同じ誤りが繰り返される場合は、注意喚起だけで終わらせず、入力例や選択肢、集計表を見直しましょう。
報告だけで終わらず改善の担当を決める
測定結果を共有しても、次に誰が何を変えるかが決まっていなければ、運用は改善しにくくなります。
そこで、振り返りでは「確認できた事実」「考えられる理由」「次に試すこと」を分けて記録します。推測を、確定した原因として扱わないことが大切です。
さらに、改善担当、期限、次回の確認指標を決めましょう。店舗から得た情報を企画や制作にどう反映したかも共有すると、報告の目的が伝わりやすくなります。
複数店舗の販促効果測定で確認したい10項目
次のチェックリストは、本記事で整理した実務上の確認項目です。公的な規格や認証基準ではありません。企画前の打ち合わせや、測定方法の見直しにご活用ください。
実施前の準備を確認する
- 販促の目的と主な評価指標が決まっている
- 対象店舗・媒体・企画を識別できる
- 反応を件数・人数・回数のどれで数えるか決まっている
- 告知期間・反応の集計期間・確定日が決まっている
- 実際の配布数や実施量を記録できる
- QRコード・リンク・受け付け手順を事前確認している
- 重複・再利用・取消の扱いが決まっている
- 費用に含める範囲をそろえている
- 欠品・休業・掲出遅れなどの条件を記録できる
- 振り返りと改善の担当・期限が決まっている
取得できる情報から段階的に整える
未対応の項目が多い場合は、まず目的、指標の定義、実施量、反応件数をそろえましょう。その後、媒体別の識別や、費用・利益を含む評価へ広げます。
また、店舗の入力負担が大きい場合は、既存の販売・予約データで確認できる項目を探します。必要な情報を重複して提出させない工夫も重要です。
そして、一部店舗で試した結果をもとに、入力表や手順を調整します。最初から多くの指標を求めるより、継続して確認できる仕組みを作りましょう。
複数店舗の販促効果測定に関するよくある質問
ここでは、指標の選び方や、媒体・店舗を比較する際によくある疑問をまとめました。自社の目的と取得できるデータに合わせて、測定方法を選びましょう。
Q. 最初に確認する指標は何ですか?
A. まず、今回の販促で目指す行動を決めます。予約が目的なら予約件数、クーポン利用が目的なら利用件数を中心に確認しましょう。
また、結果を理解するために、配布数や費用、実施状況も記録します。数字を増やす前に、全店舗で同じ定義と方法で集められることを優先してください。
Q. 来店数を正確に把握できない場合はどうしますか?
A. 取得できない数値を推測で埋めず、クーポン利用や予約、対象商品の販売など、確認できる行動を指標として選びます。ただし、これらを店舗全体の来店数と同じ意味では扱わないでください。
また、スタッフによる計数などを試す場合は、対象時間と数え方を統一します。測定できた範囲と限界を明記しましょう。
Q. チラシとWeb広告のどちらが優れているか比較できますか?
A. 同じ目的、成果の定義、費用範囲で記録すれば、比較の材料になります。ただし、接触するお客様や、販促の中で担う役割が違う場合は、数字だけで優劣を決められません。
また、両方を見て行動したお客様もいます。媒体別の反応と企画全体の成果を分け、それぞれの役割に合った指標で評価しましょう。
Q. 複数店舗の利用率は平均すればよいですか?
A. A. 全店合計の利用率を%で求める場合は、「各店舗の利用件数の合計 ÷ 各店舗の配布数の合計 × 100」で計算します。配布数が違う店舗の利用率を単純平均すると、全体の利用率とは一致しない場合があります。
また、店舗別の違いを把握したい場合は、合計値だけでなく各店舗の数字も残してください。
Q. QRコードのアクセス数は来店数として使えますか?
A. QRコードのリンク先へのアクセスは、Web上の反応です。実際の来店を確認した数値ではありません。また、同じ人が複数回アクセスする場合もあります。
そこで、アクセス、予約、実際の来店を別の段階として記録しましょう。アクセスが多い場合も、その後の行動につながっているかを確認することが大切です。
Q. 売上が増えたら販促は成功と判断できますか?
A. 売上の増加は重要な情報ですが、販促だけの影響とは限りません。季節、価格、商品、営業日数などの違いと、値引きや販促費も確認しましょう。
また、新規来店を目指した企画なら、新規のお客様の反応も確認します。目的に合う成果と、継続できる費用・負担の両方から判断してください。
複数店舗の販促改善はデザインラボにご相談ください
複数店舗の販促効果測定では、指標の定義と記録方法をそろえ、実施条件を踏まえて結果を振り返ることが大切です。まずは、何を成果として確認したいかを決め、制作・配布前から準備しましょう。
測定後の課題を販促物の改善につなげる
デザインラボでは、チラシ、POP、ポスター、メニューなどのデザイン・印刷に加え、Webコンテンツなどの制作をご相談いただけます。
「反応を見ながらチラシを改善したい」「紙とWebの役割を整理したい」「複数店舗の制作物をまとめて相談したい」とお考えの企業様は、現在の販促物と、確認できている結果をお知らせください。
販促全体の設計は「多店舗展開の販促戦略|本部と店舗の役割・進め方」でも紹介しています。具体的な対応範囲や進行方法は、ご相談内容に応じて確認いたします。
